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Mañana será otro día

《カンバラーチェ(古道具屋)》「ラテン音楽名曲名演名唱 ベスト100」

「ラテン音楽 名曲 名演 名唱 ベスト100」
第8章 
ラテンアメリカの真実がみえる10曲-アルゼンチン-
⑦-Cambarache-
 一曲飛ばしましたが、
 この章も全文引用で・・・・
--------------------------------引用---------------------------
1998年にメキシコで出た『禁じられたタンゴ』は、本場アルゼンチンではまず無理な企画だろう。というのもタンゴの恥部や裏面史を音楽と解説で浮き彫りにして興味つきないアルバムだからである。そこに、この怖ろしい歌もちゃんと選ばれていて、そうだろうなとぼくは納得した。「ジーラ・ジーラ」などの名曲の作者として知られるエンリケ・サントス・ディセポロ(1901~51)が1935年に詞も曲も書いた。ディセポロというと、ペシミスティックという言葉が思い浮かぶが、この歌は厭世的だから怖ろしいというわけではない。大恐慌後の不安定な時代につくったとはいえ、いまから64年もの昔に20世紀という時代の本質を透徹した眼力でここまで見抜いていたことに、ぼくは畏れを抱くのだ。

  これまでも、これからも、この世は豚小屋
  わかっているさ
  506年だろうと2000年だろうと同じこと
  いつの世にも住んでいる泥棒ども
  策略家に詐欺師たち
  満ち足りた人と苦しんでいる人
  有価証券に金ピカのメッキ細工
  とにかく20世紀とは
  悪がずうずうしくのさばる時代ということを
  否定する者はいないだろう
  私たちは馬鹿騒ぎの中で
  ひっくり返り
  同じぬかるみの中で
  みんなこづき合って暮らしている
  今じゃ正直者だろうと裏切り者だろうと
  みんな結果は同じこと
  阿呆も利口も泥棒も
  りっぱな人でも詐欺師でも
  すべては同じ、優劣なしさ
  ロバだって
  大先生と同じこと
  応召兵もなければ
  武官もない
  不道徳な連中が
  私たちを平等にしちまったんだ
  ある奴がペテンで暮らしをたてれば
  別の奴がその上まえをはねる
  坊さんだろうとフトン屋だろうと
  スペードの王様だろうと
  鉄面皮もなまけ者も同じことになるのさ
  何という尊敬の欠如
  何という理性のじゅうりん
  だれもが紳士で
  だれもが泥棒・・・・・・・・・・・
  
  古道具屋の
  無礼なガラス棚の中と同様に
  人生はまざり合う
  ごらん・・・・・・・・・・・
  締め釘の抜けたサーベルに
  傷つけられたバイブルが
  湯沸かしにもたれて泣いている
  20世紀は古道具屋
  問題をかかえ、熱病にかかっている
  泣かなきゃお乳が飲めないし
  盗まない奴は間抜けなんだ   (永田文夫訳)

 ところどころに、いまでは死語になってしまった表現もあるが、まるで20世紀のテーマ・ソングではないか。20世紀をふりかえって、戦争の世紀だったという人がいる。科学の時代、いや原子力の時代だという人もいるだろう。狂気の時代、性の解放の時代、ウーマン・リブの時代、混沌の時代だったことも確かだ。でもディセポロがこの歌で指摘したように、人間が美徳と誇りを捨て去り、泥棒や策略家や詐欺師どもがのさばる悪の時代というのがいちばん的を射てはいないだろうか。
 しかし20世紀は、第三世界の台頭の時代でもあり、なかでもラテンアメリカが生み出した音楽が世界を席巻した時代でもあった、とぼくは思っている。タンゴ、ルンバ、マンボ、ボレーロ、サンバ、レゲエ、そしてサルサ・・・・・・・・これらはみんな20世紀に生きた人たちを楽しませた音楽である。そして音楽は時代を先取りするというのがわが持論だが、21世紀は確実にラテンアメリカの時代となり、その音楽がますます隆盛することになりそうである。
--------------------------------ー引用終わり---------------------
 21世紀は、少なくとも21世紀初頭は中国を始とする亜細亜の時代になりそうですね。
 それにしてもペシミスティックな歌詞です。だいたいがアルゼンチンの人はこういうややこしい歌詞がお好きなようです。日本ではまず流行らないでしょうね。。。同じタンゴの名曲に「ウノ」という曲があります。。和訳の歌詞を読むととにかく難解、延々ごちゃごちゃと難しい哲学的なことを言いながら結局女を口説いてる。。

寒い地域住む人ほど理屈っぽくなるのかなぁ。
緯度の高さと歌詞の長さ・理屈っぽさは比例するような気がします

どんな歌詞だろうと台詞だろうとこの人なら歌って口説けるでしょう、ガルデールの歌で。。
Cambalache Carlos Gardel


やくざっぽい歌い方がこの歌によく合うフリオ・ソーサで。。
Bandoneon Tango "Cambalache" Julio Sosa

by sylphid-mave | 2010-04-17 06:27 | 音居間Latin | Comments(0)