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sylphid

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Mañana será otro día

Tango amanyaquino

Tonyさんとこに刺激されここ数日Tango尽くしです。
で。久しぶりにTangoについて天の邪鬼な私的考察。
ラ・プラタ川の支流リアチュエロ川の河口左岸にボカという港町があります。そこがTango発祥の地。1880年頃新天地を求めて来た多くの移民、とりわけイタリアのジェノバから(ということは“母を訪ねて三千里”のマルコ少年が渡ってきたのもここ?)の移民や、食いつぶし流れ着いたガウチョ、船員たちがひしめく雑然とした街。この街でキューバのハバネラや当時流行していたポルカがミックスされ、男同士が酒場で荒々しく踊ったのが、タンゴの始まり。次第に、娼婦を相手に踊るようになり、男女で踊るタンゴの原型が出来ていくが、当然ポルテーニョ(ブエノス・アイレスっ子)達の非難を浴びた。Tango初の楽譜1880年の「バルトーロ」には「バルトーロ坊やは、笛を吹く。一つしかない笛を吹く」という、とても意味深な歌詞がついていた。娼婦を相手にする金がなく、男同士で踊っていた男達を歌った歌詞だと思う。かたやクラブで高級コールガール達と踊るタンゴは「淡き光に」のように当時高価だったピアノの伴奏付だった。タンゴは猥雑な荒々しいエネルギーを消化吸収し新しいポルティーニョ音楽として定着していく。

では、マイ・フェイバリット・タンゴを思いつくままに

EL CHOCLO
古典タンゴの名作。タンゴの顔だと思いますとりあえず聴くならこの曲。ほとんどの楽団の録音があるはず。

HOTEL VICTORIA 
やはり古典の名作。とても100年も前の曲とは思えない。今聴いても新しく斬新。是非お薦め。たくさんの録音がありますが、LOS INDIOS TACUNAUというフォルクローレのバンドの演奏が異色ですが好きです。

UNO
カミニートと並んで代表的な歌のタンゴだと思います。タンゴ歌手ではないそうですがバレリア・リンチのUNOが好きです。聴けば泣けます、歌詞もわからないのに。このUNOの歌詞は以前も書いたことがあるけど超難解、この歌詞に感情を込めて歌えるというのは才能だと。

MI NOCHE TRISTE/我が悲しみの夜
歌のタンゴといえばこの曲をはずせない。1917年、、カルロス・ガルデルの歌うこの曲でタンゴはポルティーニョ達に認知された。タンゴ黎明期の名曲。カルロス・ガルデルはタンゴ界のアイドル。天性の美声でタンゴを歌い、端正な容姿で数々の映画に出演し、その才能で100曲あまりのタンゴの名曲を創った。1935年、コロンビアのメディシン空港にて夭折。

CAMINITO
歌のタンゴといえばこれ。たくさんの名演があります。もちろんガルデルも歌っていたと思います。好きなのはリベルタ・ラマルケの歌うCAMONITO。女性の声の方が似合うような気がするので。

YIRA YIRA/ジーラ・ジーラ
歌もの続きです。日本では藤沢嵐子のYIRA YIRAが有名ですね。
この曲も凄い歌詞がついています。UNOのように難解というのじゃなく、極貧です。
金もなく、マテ茶も買えず、使用済みの葉を干して使っていたけどそれもなくなるという極貧の唄。どんなに救いを求めても世間は無関心に回り続ける、ジーラ・ジーラと唄は続きます。(ジーラは人の名ではなく「廻る」という意味です。歌詞もわからず演唱を聴いているぶんにはとてもそんな内容だとは、思えないのですが。

SENTIMIENTO GAUCHO/ガウチョの嘆き
タンゴ王フランシスコ・カナロの代表作。EL CHOCLOと同じようにとてもタンゴらしいタンゴ。嘆きなんてタイトルついてますが、歯切れの良いスタッカート聴きやすい曲です。

BARTOLO
前述のバルトーロ。コテンコテンの古典(m(_ _)m親爺ギャグ^^;)。この曲はヴァイオリンやギターの素朴な演奏の方が好きですね。手持ちだとCARLOS GARCIAの演奏が朴訥な感じで良いです。

TAQUITO MILITAR/軍靴の響き
軍靴の響き。勇ましい行進曲のようですが、軍靴に似た革靴の靴音ってニュアンスのタイトルのようです。曲はタイトルのイメージとは違ってとても艶っぽいです。思うにタンゴってこういう艶のある曲が多いと思う。何故か。最近気がついたのだけど、他の中南米カリブの島々に比べてイタリア系移民が多いからじゃないから。あの色気と艶はイタリアン気質の現れ(^O^)。

CORAZON DE ORO/黄金の心
これもフランシスコ・カナロの名曲。インストもいいけど、ネリー・オマールが歌うワルツ。これが又良い。

EL DIA QUE ME QUIERAS/想いのとどく日
ご存じカルロス・ガルデルの曲。実はガルデルの演唱は聴いたことがありません。
この曲一番のお薦めはウーゴ・ディアス。“胸が張り裂けんばかりの感動”を味わいたければ是非一度聴いてみてください。ただ、個性(アク)が強いので万人向けではありません。
今日、図書館の閉架図書でガルデルのCD見つけました。初めてガルデルの想いの届く日聴くことが出来ました。チョット感激。リンク試聴はガルデルです。やっぱりウーゴの試聴は、見つかりませんでした。最初だけでも聴いて欲しかったのですが。

フランシスコ カナロ大全集(全199曲)
これだけ試聴があれば聴けない曲は無いでしょう。多分(^O^)

まぁ、こんなもんかな。超有名なあの曲や、日本人御用達のあの演奏家にはふれていません。その件については又後日。
by sylphid-mave | 2005-07-27 22:29 | 音居間Latin

by かぁ